二階から目薬二月からやる気
一月の打楽器隊が橋渡る
一月の羊一頭ずつ食べる
ストローにもうない十二月を吸う
あの森の木が椅子になる十二月
鳥園に亀も暮らして十二月
きらきらと硝子片掃く十二月
触れ合えるらしい十一月の蛇
夢くらい十一月の長い犬
猫の子を十一月の愛し方
三叉路は十一月の一軒家
蟲時雨黒縁太く訃報欄
十月の天使につむじ踏まれたわ
釣人は洗濯夫かも詩人かも
露白し手紙のことは手紙にて
帯電の身体で泳ぐあおみどり
秋桜にコスモ隠れているるるる
十月は入れ過ぎた塩戻す日々
十月は蝶を模写する昼休み
セプテンバー瞳のなかで混ぜる白
鳥籠の柵を拡げる力持ち
来世あるはず心に象を住まわせて
流星や献花は風に傷みつつ
葬送の昼餉に蟻が付いてきた
踊るとき鳴る床九月なのでしょう
真昼間の柱時計を巻く仕事
犬に嗅がれてジーンズしっとりと
彗星に詣でる墓がふたつほど
空に鳶鉄条網に毛布干す
旅の荷に許す一冊だけ許す
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